資格・試験のこと

【なぜ?】税理士試験受験者が激減?税理士は人気がない資格?【理由は?】

ここ数年、税理士試験受験者数が激減している現状を知っていますでしょうか?一方で、実は税理士登録者数は増えています。

この記事では、税理士志望者数が激減している現実と理由について考えまとめています。個人的主観も含まれる記事ですので、ご注意ください。

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税理士試験受験者数の推移

過去11年間の推移

まず初めに、税理士試験受験者数(科目別 述べ人数)の過去11年間の推移です。ここ10年ほどで約半分にまで激減しています。

これを見ると、税理士資格は不人気資格になっていると言われても仕方がない推移です。

直近令和3年度は微増

直近令和3年度は微増しています。

景気が悪くなると、将来への不安から資格取得を目指す人が増えると言われています。

コロナによる影響でしょうか?

ちなみに令和3年度の科目別受験者数は以下の通りです。「簿記論と財務諸表論」の受験者数が、前年比を上回っているのが目立ちます。

「簿記論と財務諸表論」は税理士試験での必須2科目となっているため、試験勉強を新たに始める人が、最初に勉強を始める科目です。

この2科目の受験者数が増えているということは、新たに税理士を目指し始めた人増えた(?)という可能性が高いです。

>>【わかりやすく解説】税理士になるための方法と税理士試験の概要

税理士登録数は増加している

令和3年度の微増を除き、ここ数年激減している税理士試験受験者数ですが、実は税理士登録者数は年々増加しています。

直近6年のデータをグラフ化します。

受験者数が減っている中でも、税理士登録者数は増えています。

受験者数が減っているということは、「新たに税理士試験に挑戦する人は減少傾向。途中で試験勉強を辞める(諦める)人も多くいる」のでしょう。

一方税理士登録者数が増えているということは、「試験免除制度(公認会計士など資格による免除、国税従事者による免除、大学院免除)などにより試験を受けずに税理士登録に至る人も多くいる」ということが考えられます。

私の旦那も、大学院免除を利用し資格取得に至りました。

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受験者激減の理由を分析

続いて、税理士試験受験者数が激減している理由について考えていきます。

AIに仕事が奪われると予想されたこと

2017年ごろ、税理士の仕事がAIに奪われると予想されました。

(画像引用元:「エン・ジャパン」

確かに現在、マネーフォアードやfreeeや弥生会計などの会計ソフトはどんどん進化しており、『経理の効率化・自動化』という声も目立ちます。

今までであれば経理を雇ったりお金を出して税理士に依頼していた作業が、会計ソフトで全自動化された。なんてこともあります。

それによって実際、経理職や会計事務所の事務員さんの仕事は減ると考えられます。

しかし、税理士の仕事はAIでできるような作業ではありません。事業計画書や経営計画書の作成・節税の提案や経営の相談・複雑な税務相談など、AIにはとても務まらないようなことがたくさんあります。

そういった業務に時間を割くためにも、AIが奪える仕事はむしろ奪ってほしいと思っている税理士はたくさんいます。

本題からズレましたが、この「税理士の仕事がAIに奪われる」といった噂によって、税理士資格の人気は多少落ちたと考えられます。

試験勉強長期化への不安

税理士試験は超難関試験です。難関試験を5科目突破しなければなりません。

税理士試験に合格するまでに、かなり長期間を費やす人は多くいます。

税理士試験に合格するまでにかかる期間は、兼業なのか専業なのか、大学院免除を使うのか使わないのか…によっても異なってきますが、3~5年と言われていたり、10年以上と言われていたりもします。中には、20年・30年・40年、受験し続けている人もいます。

東京税理士会の調査によると、合格までは平均9年と言われています。

あくまで、合格した人が必要とした年数がデータとしてあがってくるわけであって、合格できていない(途中で辞めてしまった)受験生も含めると、相当な年数、勉強を続けることになるのではないでしょうか。

長期戦になると予想される試験を避ける人も、一定数いるでしょう。

試験でなく免除制度を利用している

税理士になる方法は、5科目すべて試験に合格する方法と試験免除制度を利用する方法があります。

>>税理士試験の官報合格・認定合格とは?待遇に違いがあるのか?

免除制度には、このような種類があります。科目の一部が免除されたり、すべての試験(5科目)を免除されたりします。

  1. 学位取得による免除
  2. 資格保有(弁護士・公認会計士)による免除
  3. 国税従事者(税務署職員)における免除

免除制度を利用し税理士登録している人が増えているため、試験受験者数は減っているが税理士登録者数は増えているということでしょう。

税理士業界の給与が低い

税理士業界は、資格取得が超難関かつ仕事内容も専門性が高く難しいにも関わらず薄給です。

税理士事務所の平均年収

未経験者の場合:年収300万~350万

実務経験3~5年・科目合格者の場合:年収400万~

税理士の場合:年収500万~

資格があればまだマシですが、未経験や資格がない場合は、同年代と比べても悲しくなるような年収しか貰えません。(未経験者の場合は初任給のような水準です。)

若いうちに、薄給覚悟で働きながら税理士を目指すならまだしも、30代・40代になって大幅に年収ダウンして目指すには勇気がいりますよね。

給与水準が低いことも、税理士資格が人気がない理由でしょう。

繁忙期が忙しすぎる

税理士業界の繁忙期は11月頃~5月です。繁忙期といっても事務所によって超繁忙期の時期は様々ですが、業界としては1年の半分が繁忙期と言われているくらいです。

>>税理士業界の忙しい時期と年間スケジュールは?

繁忙期は、遅くまでの残業が当たり前・土日も出勤、といった事務所もあります。ワークライフバランス・働き方改革と言われている時代に、繁忙期が忙しすぎることは不人気資格になる理由の1つになっているでしょう。

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まとめ

これより税理士試験受験生が激減している理由をまとめると、

AIによって奪われると言われている仕事のために、長期化するとわかっている難関試験にチャレンジしたくない。

業界として労働環境も待遇も良くないので、試験勉強を続けるメンタルがもたない。

といったところでしょうか?

確かに、「税理士になりたい!」という明確な意思がないのであれば、他の資格を目指そうと思うには充分すぎる理由ですね。

SNS・ネットでそれらの情報をすぐに知れる

今の時代は、なんでもネットで簡単に情報収集できます。

税理士資格や試験に興味をもった人がネットで少し検索すると、このようなネガティブな情報はたくさん入ってきます。

実際に難関試験を突破して税理士になった人が発言していたら尚更ですよね。

試験が超難関試験である事実は現状変えられませんが、労働環境や待遇は勤務する事務所にもよりますし、AIに仕事が奪われる言葉もそのまま鵜呑みにしてはいけません。

税理士になりたい・興味がある!という方は、ぜひ頑張っていただきたいです。応援しています!

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