資格・試験のこと

【わかりやすく解説】税理士になるための方法と税理士試験の概要

この記事では、税理士として業務をおこなうためにはどうすれば良いのか?税理士試験とはどういうものか?

わかりやすく解説していきたいと思います。

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税理士になるためには?

税理士と名乗り業務を行うためには、『日本税理士会連合会』の税理士名簿に登録する」必要があります。(※税理士法人を設立した場合も「日本税理士会連合会」に届出が必要です。)

税理士として登録されていない者は、税理士業務を行うことはできません。違反する罰則が適用されます。

(※国税局長に対して通知を行った弁護士及び弁護士法人については、一定の条件のもとで税理士業務を行うことができます。)

『日本税理士会連合会』の登録資格

『日本税理士会連合会』に登録するためには、下記(1)(2)の両方を満たす必要があります。

(参考:「国税庁(税理士の登録)」

(1)税理士となる資格

  1. 税理士試験に合格した者
  2. 税理士法の規定により、試験科目の全部について税理士試験を免除された者
  3. 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
  4. 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)

(注) 平成29年4月1日以後に公認会計士試験に合格した者については、公認会計士法第16条第1項に規定する実務補習団体等が実施する研修のうち、財務省令で定める税法に関する研修を修了した公認会計士となります。

(2)実務経験

上記(1)に該当する者のうち、①②の者については、会計に関する事務(貸借対照表勘定及び損益計算書を設けて経理する事務)などに従事した期間が通算して2年以上あることを必要とします。

税理士の登録者数

参考までに税理士の登録者数は、下記の通りです。

(参考:「国税庁(税理士の登録)」

税理士の年齢

登録者数を見ると税理士の数は増え続けているように見えますが、年齢層は下記の通りです。

非常に高齢化が進んでいます。税理士資格を取得するのに時間がかかったり、若手の受験者数が減っていたりしていることが原因です。

また「税理士」登録している人数の中には、登録はしているものの実際は業務を行わず、ほぼ引退モードの税理士も含まれています。

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税理士試験の概要

続いて、税理士試験の概要について順に解説していきます。

(参考:「日本税理士会連合会(税理士の資格取得)

日程

税理士試験は年に1回毎年8月、各国税局・国税事務所の所在地等(全国12~16か所)で行われます。

受験資格

学識、資格、職歴といった様々な分野の受験資格が定められており、(1)~(3)のいずれか一つの要件を満たせば受験資格を有することになります。

(1)学識による受験資格

  • 大学又は短大の卒業者で、法律学または経済学を1科目以上履修した者
  • 大学3年次以上で、法律学または経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
  • 一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学または経済学を1科目以上履修した者
  • 司法試験に合格した者
  • 公認会計士試験の短答式試験に合格した者(平成18年度以降の合格者に限られる)

(2)資格による受験資格

  • 日商簿記検定1級合格者
  • 全経簿記検定上級合格者(昭和58年度以降の合格者に限られる)

(3)職歴による受験資格

  • 法人または事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
  • 銀行・信託会社・保険会社等において、資金の貸付・運用に関する事務に2年以上従事した者
  • 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者

試験科目

受験資格を得ていれば、実際に税理士試験を受けることができます。

税理士試験の科目は全部で11科目あり、<会計科目>と<税法科目>にわかれています。そのうち5科目合格すれば『税理士試験合格者』となります。

《会計科目》2科目(簿記論・財務諸表論とも必須

《税法科目》以下より3科目を選択

  • 所得税法・法人税法 ←どちらかは必須
  • 消費税法または酒税法・住民税または事業税・固定資産税 ・相続税法・国税徴収法

(※消費税法と酒税法はどちらか一方のみ、住民税と事業税もどちらか一方のみ。)

一度合格した科目は一生有効です。

1年で5科目すべて合格しなければならない訳ではなく、毎年1科目ずつ受験して合格科目数を増やしていくこともできます。

5科目は合格してないものの、1科目でも合格している場合は

『科目合格者』と呼ばれています。

合格基準点

合格は各科目60点以上とされており、合格率は10~20%(科目により差があります)です。

しかし実際は合格者数を調整していますので、「合格点が60点」ではなく事実上相対評価制度であると言えます。合格点が40点であった試験もあります。

60点を目指すことは目安にはなりますが、実際は合格ラインの点数を取ることが大切です。

相対評価制度であることより「試験が簡単な年は合格者が続出する」ということはなく、「どの年でも他の受験者達との競い合い」といえるでしょう。

試験免除制度

また、税理士試験には一定の要件を満たせば受験科目が一部免除となる制度があります。

>>税理士試験の官報合格・認定合格とは?待遇に違いがあるのか?

(1)資格保有による免除

弁護士又は公認会計士資格を有している場合は、全科目の受験が免除されます。

(※公認会計士が税理士になるためには、一定の研修を受ける必要があります。)

(2)学位取得による科目免除

大学院に進学し、学位を得る方法によって試験科目が2科目免除されます。

(※残り3科目の取得が必要です。)

いわゆる「大学院免除」

略して「いんめん」と呼ばれています。

(3)国税従事者における免除

国税従事者(税務署の職員)として10年または15年以上勤務すると、税法科目が免除されます。

さらに23年または28年以上税務署に勤務すると、指定研修を修了した国税従事者は、会計学に属する科目が免除されます。

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最後に

税理士の仕事は非常に社会的信用・社会的責任も高い職業であり、税理士試験もまた難易度の高い国家資格です。

税理士試験合格者になるには、平均9年かかるとも言われています。そのため、免除制度を利用して税理士を目指す人も増えてきています。

資格取得までの道のりは長く大変ですが、社会的地位のあるやりがいのある仕事が待っています。

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