税理士試験と公認会計士の試験、ご存知のとおりどちらも難易度の高い試験です。
どっちが難しいか?なんて比べられることもよくありますが、「公認会計士試験は短距離走、税理士試験はフルマラソン」と、例えられることもあります。
なぜなのでしょうか?理由を見ていきたいと思います。
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目次
公認会計士試験は短距離走、税理士試験はフルマラソン
公認会計士試験は短距離走、税理士試験はフルマラソン。
とはどういうことなのでしょうか?「短距離走・フルマラソン」は、こういうイメージです。
- 短距離レース
- 0.01秒の戦い
- 一瞬の休憩や深呼吸する間もナシ
- ゴールまで全力疾走
- 42.195キロの長距離
- 何時間も走り続ける
- 途中で水分補給をする必要あり
- 完走できずリタイヤする者もいる
- 坂道もあれば、途中で雨が降る場合もある
- ゴールまでのタイムを競う
同じスポーツマンでも、短距離が得意な人もいれば長距離が得意な人もいますよね。
試験勉強も同じです。
短期勝負向きなのか長期勝負向きなのか、短期勝負であれば休む間もなく勉強に注ぎ込む時間があるのか、長期勝負であれば何年も勉強をやり続ける根気があるのか・・・
合格までの年数だけを見ると『公認会計士試験は短期間で合格を目指す。税理士試験は年数がかかる。』といえます。
それゆえ、『公認会計士試験の方が簡単である』という人もいます。(実際、公認会計士の知り合い数人はそのように言っていました。)
時間の観点だけではなく、「税理士試験の方が内容が深いから難しい」という人もいます。
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それぞれの年齢層は?
まずは合格者や有資格者の平均年齢をみていきましょう。
合格者の年齢は?
公認会計士
公認会計士試験の合格者の平均年齢は下記の通りです。
多少バラつきはありますが、26歳前後です。
若いですよね。若くに合格する人がほとんどです。大学時代に勉強して合格、もしくは卒業して数年後に合格。といったケースが圧倒的に多いです。
ちなみに令和2年の公認会計士試験の合格者の年齢分布は下記の通りです。
20代の合格者が、全体の8割超です。
続いて30代の合格者が約14%。20代と30代だけで全体の95%を占めています。
合格者の若さから、
大学時代(or卒業後すぐ)に勉強スタートし、短距離走を走り切った!
と考えられる年齢層ですね。
税理士
続いて税理士試験の合格者についてです。
学歴別と年齢別に公開されています。
大学在学中の受験者数は5%弱と少なく、ほとんどの受験者が学校卒業後(約75%が大卒)です。
合格者の年齢も、20代の合格者は約28%。30代が約33%・41歳以上が約37%を占めています。合格の最多年齢は40歳代です。
若い合格者が少ないことから、
大学卒業後に税理士試験勉強をはじめ、長年、挑戦を続けたフルマラソン!
と想像できる年齢層ですね。
有資格者の年齢分布は?
ちなみに、有資格者の年齢分布はこのようになっています。
すごい違いですね。
公認会計士は30代40代がボリュームゾーンなのに対し、税理士は50代60代の割合がすごいです。
短距離走で勝利した『若手公認会計士』と、フルマラソンを完走した『高齢税理士』ってとこでしょうか?
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税理士試験の試験の仕組みがマラソン気質
「人生はマラソンだ」
なんて言われますが、 「人生=マラソン」 「税理士試験=マラソン」。
あれ?「人生=税理士試験」ってことですか?
大袈裟ではなく、「人生=税理士試験」である人はたくさんいます。税理士試験で人生が狂ってしまう人もいます。
公認会計士試験と税理士試験は、試験の仕組みや制度が全然違います。
公認会計士試験
一度に全範囲を勉強し出題され、合格or不合格が決まります。
『短答式試験(マークシートの択一式)』と『論文式試験(記述式)』の2段階に分かれており、両方に合格する必要があります。
・『短答式試験』:試験科目は財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目です。なお、一度合格したらずっと有効というわけではなく、その後2年間のみ有効です。
・『論文式試験』:必須科目は会計学(財務会計論、管理会計論)・監査論・企業法・租税法で、選択科目は経営学・民法・統計学の中から1科目を選んで受験します。なお、科目合格制が導入され、合格した科目については2年間免除が受けられます。
(詳しくは「日本公認会計士協会ホームページ(公認会計士試験について)」をご確認下さい。)
税理士試験
合計5科目の合格が必要ですが、一度に合格する必要はありません。1科目ずつ受験し合格を積み重ねていきます。
・『会計学』科目(簿記論・財務諸表論)の2科目
・『税法』科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)
(詳しくは「国税庁ホームページ(税理士試験の概要)」をご確認下さい。)
(詳しくは「国税庁ホームページ(税理士試験の概要)」をご確認下さい。)
一度に全範囲が出題される公認会計士試験と、1科目ずつ合計5科目を勉強する税理士試験。どちらの方が良いと思いましたか?
公認会計士試験の場合は、何年か勉強して落ち続ければ諦めも付きそうですよね。一方税理士試験の場合は、1科目でも合格できれば一生有効なので、諦めきれなくなる気がしませんか?
そもそも初めから『1科目1年×5=5年』。「合格まで5年は勉強だ!」と思っていたとすれば…その時点で長距離のマラソンのようですし、何年か落ちて5年が8年、10年…と伸びてしまったとしても、「ここまで頑張ったのに諦められない」となりますよね。
税理士試験の仕組み自体が『マラソン気質』であり、マラソン覚悟で挑む人が多いので、予想以上の長距離を走り続けることになる人もたくさんいるわけです。
>>税理士試験の官報合格・認定合格とは?待遇に違いがあるのか?
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公認会計士試験は働きながら不可能?
先ほど述べたように、公認会計士試験の合格者の平均年齢は26歳くらいです。大学在学中に合格、もしくは卒業後まもなく合格。といった人が多くいるからです。
大学在学中は、時間に余裕があり勉強に専念できますし、卒業後も就職せずに試験勉強に専念していたとしたら、かなり勉強時間は確保できますよね。
短距離走では、水分補給やペース配分を考えたりもしません。スタートからゴールまで全力疾走です。
公認会計士試験も、「仕事しながら…」「遊びと両立させながら…」なんてわけにはいかず、合格目指して全力投球です。(中には両立させながら合格できた人もいます)
公認会計士試験と税理士試験の、合格までの年数と勉強時間の目安の比較です。
公認会計士試験の勉強時間の目安
合格までの勉強時間の目安は3,500時間と言われています。「1日平均5時間の学習で2年弱」「1日平均10時間の学習で1年弱」で合格ラインという計算です。
税理士試験と違って、試験科目を一度にまとめて受験するため、広範囲を一度に勉強する必要があります。
合格までは平均2~4年かかると言われています。
金融庁が取ったアンケートによると、2年間の勉強で合格する方が、短期合格の王道でした。合格者の割合は、2年間が20%、3年間が50%、4年以上が25%程度という結果でした。
税理士試験の勉強時間の目安
合格までの勉強時間の目安は4,000時間と言われています。「1日平均5時間の学習で2年ちょっと」で合格ラインという計算です。
が、目安時間はあまり信用してはいけません。
科目ごとに勉強時間の目安も違いますし、科目ごとに試験勉強をすすめていくため、1年に「1科目ずつ(多くても2・3科目ずつ)」勉強していく受験生が多いです。
合格までは平均9年かかると言われています。
3年で受かるツワモノもいれば、20年~30年ずっと勉強を続けている人もいます。
公認会計士試験も税理士試験も、勉強時間の目安はさほど変わらないことに「ん?」と思いましたよね。それなのになぜ合格までの年数が違いすぎますよね。
先ほどの試験制度の仕組みの違いが原因です。
公認会計士試験は1度に全範囲の勉強が必要だから、短期間で全範囲詰め込む!
税理士試験は1科目ずつ受かれば良いから、トータルの時間をかける覚悟で挑む!
↑さっきと同じようなことを書いてしまいました。
つまり公認会計士試験の仕組みが原因により、公認会計士試験は短期で詰め込まないといけないのです。せっかく勉強しても長期戦で挑むと、初めに覚えたことが記憶から飛んでってしまいます。
そのため、公認会計士試験に挑むためには、少なくとも2年は、勉強最優先!勉強時間をしっかり確保!できる環境である必要があります。
これが、働きながら公認会計士試験は不可能である。
と言われる理由です。
だから公認会計士試験は短距離走と言われるんですね!
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最後に
以上、『公認会計士試験は短距離走、税理士試験はフルマラソン』と言われる理由でした。
フルマラソンが嫌な場合は、「公認会計士試験に合格し、税理士登録する」という方法もありますね。
どちらも資格試験のスポーツマン!合格目指して頑張ってください☆
他にも、公認会計士と税理士についての記事を書いています。良ければご覧ください。↓
旦那の開業1年目の売上をまとめています。良ければご覧ください。↓
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