これから会計業界で『税理士補助』として働こうとしている方、既に『税理士補助』として働いているものの、しんどくて自信をなくしている方…
『税理士補助』の仕事は大変です。「まるで奴隷のようだ」という人もいます。
しかし、税理士補助の仕事によって得られることも多くありますし、税理士目指して試験勉強中の人であれば必ず通る道でしょう。(税理士資格取得には、2年の実務経験が必要なため)
そして考え方が古い!と言われている税理士業界も、新しい風を吹かそう!働きやすい職場を作ろう!と動いている税理士や事務所もあります。
この記事では、『税理士補助』の仕事がキツイと言われている理由と、キツイと言われている中でも働きやすい事務所も存在するという希望の話をまとめていきたいと思います。
大事なことなのでもう一度…
働きやすい事務所も存在します!
すべては事務所によります。所長によります。上司によります。タイミングにもよります。「税理士補助は奴隷なのだ!」ということが言いたいわけではないので、ぜひ最後までお付き合いください。
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目次
税理士補助の仕事
『税理士補助』とは、名前の通り『税理士の補助』です。税理士のおこなう業務(税務代理、税務書類の作成、税務相談)の補助業務を行います。
➡無資格&未経験でも就職可能?|”税理士補助”の仕事内容や年収は?
『税理士の補助業務・アシスタント業務』は税理士の責任・監督指導のもと行うするため、最終責任は税理士にあります。
しかし税理士の監督指導のもと行うといっても、「あれやっといて。これやっといて。」みたいに具体的な指示をもらって”言われたことをする”仕事ではありません。
むしろロクな引継ぎもないまま顧問先を丸投げされ、丸投げした前任はそそくさと退職し、わからないことを質問する雰囲気もないまま最終確認とハンコだけ税理士が行い、それまでは自分で頑張ってやりましょう。みたいな感じの事務所がたくさん存在します。
「税理士の仕事をちょっとお手伝いする仕事ね」といった感覚で就職すると、ギャップが激しすぎて数日で退社。なんてことになり兼ねませんので、ご注意下さい。
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キツイと言われる理由
ここからは、税理士補助がキツイと言われる理由を解説します。
理由① 勉強が必要・難しい
会計業務は非常に専門性が高く、経験がモノをいうような場面もたくさんあります。
税理士補助業務も単純なルーティン作業~難易度の高いことまで様々で、クライアントからアドバイスを求められたり難しい質問を受けることもあります。税法も毎年改正がありますし、どんなに調べても結論が出ないことも多くあります。
通常の業務をこなすだけでも、
- 一般会計:簿記や財務諸表論・消費税法の知識
- 年末調整や給与計算:住民税
- 不動産や償却資産税の申告:固定資産税
- 個人の確定申告:所得税法
- 法人の確定申告:法人税法
- 相続の相談:相続税法
など、幅広い勉強が必要なのです。勉強が好きではない人は苦痛に感じるでしょう。
理由② 地味な作業が多い
税理士補助業務は、地味な作業が多いです。ひたすら領収書の入力をしたり、レシートを貼り付けてファイリングしたりする作業などです。
決まった作業は事務員さんがおこなうと分担している事務所もありますが、担当顧問先のことはすべて税理士補助が行うといった事務所もあります。
1日中、黙々と机やPCに向かって作業をおこなうことも多く、それを苦痛だと感じる人もいるでしょう。
理由③ 繁忙期が忙しい
税理士業界の年間スケジュールはこのようになっています。事務所の顧客属性にもよりますが、繁忙期は『11月頃~5月』と言われています。

長い繁忙期ですよね。長いだけでなく、繁忙期はかなり忙しくブラック事務所と化することが多くあります。
深夜残業や土日出勤(しかも残業代は出ない)は当たり前、初めはわからないことだらけなのに放置される事務所もあります。
繁忙期が終わった瞬間から転職活動する人や、繁忙期の途中で逃げ出す人もいるでしょう。
こんな事務所も存在します!
- 繁忙期でも定時帰宅
- 残業した場合はキッチリ残業代を支払う
- 定められた土曜出勤以外は出勤させない
理由④ 年収が低い・評価制度が曖昧
結局はここに行き着きませんか?
どんなに大変で忙しくても、それに見合った年収を貰えれば耐えられるかもしれません。年収が低いから「やってられない!奴隷だ!」なんて言葉が出てくるのでしょう。
未経験者の場合:年収300万~350万
実務経験3~5年・科目合格者の場合:年収400万~
税理士の場合:年収500万~
しかし事務所によっては、実務経験5年ほどの税理士補助でも年収700万くらい貰っている人もいます。明確な評価制度や昇給ルールなんて存在しない事務所がほとんどです。
全ては事務所次第、いや、所長次第。所長の気分やノリ・転職のタイミング次第と言えるでしょう。
所長の気分やノリで年収が変わるような事務所は辞めておきましょう!
自分や同僚が、納得できない年収だったり説明のつかない昇給を受けていると、仕事がイヤになりますよね。
➡【待遇に不満がある方必見】年収をあげる8つの方法|税理士業界
理由⑤ 基本的に人出不足
税理士業界が忙しいのには、人出不足であるという理由があります。人員を充分に確保できていれば、繁忙期であっても1人あたりの業務量を適切に割り振れることができるでしょう。
税理士を目指す人は年々減ってきています。それに伴い税理士補助の仕事を選ぶ人も減っています。「人出不足→忙しい→退職する→人出不足」の堂々巡りになっているのが現実です。
➡【なぜ?】税理士試験受験者が激減?税理士は人気がない資格?【理由は?】
理由⑥ 試験勉強との両立が厳しい
税理士補助の仕事は、税理士試験勉強中の人が多いです。(税理士試験の勉強をしていない人もいます)
仕事での実務が試験勉強にも繋がることは良いのですが、『仕事が終わってからも試験勉強をすることがキツイ、そもそも仕事が忙しすぎて勉強時間を確保できない。』など仕事と試験勉強を両立させることがしんどいと感じる人はたくさんいるでしょう。
未経験で就職し業務に慣れていない場合や、転職して事務所に慣れるまでの期間は、特にそう感じるでしょう。
理由⑦ 放置される
何度も言いますが、税理士事務所は忙しいです。閑散期でも通常業務があるので、暇だということはありません。大きくこれら6つの理由から、新人は放置されがちです。
- 1人1人に合わせていられない
- 入社から数年はコストだけがかかる
- 忙しくて構ってられない
- 大手企業のように教育担当部署が存在しない
- どうせ辞めるんでしょう?と思っている
- さらには、独立して顧客を持って行かれるリスクもある
➡税理士事務所が新人を教育したがらない6つの理由|放置は当たり前?
新しい職場にワクワクして入社したのに、仕事内容が難しいだけでなく放置されるという状況に耐えられない人はたくさんいるでしょう。
理由⑧ 税理士補助は「勉強させて頂いている!」という考え方
これは新卒で入社した一般企業の新入社員にも言えることですが、未経験だと特に事務所にとって初めはコストでしかありません。
「税理士補助は給与を貰って勉強させてもらっているのだ」みたいな考え方です。「見習い料理人が、将来のために低い給与で働きながら修行している」のと同じです。
未だにこんな考え方をする人が存在するのかと思いますが、存在します。かつて自分がされてきた扱いを、立場が変わってもそのまま引き継いでいるのです。
理由⑨ 税理士になれなければずっとこのまま
税理士補助は、税理士がいないと成り立たない仕事です。税理士資格を取得できれば独立開業する道が開けますが、資格がなければ無理です。
税理士補助のままでは、『仕事内容もずっと一緒、年収も大して上がらない』状況が永遠に続きます。(一般企業でもそのような会社はありますが…)
税理士を目指して『税理士補助は、資格取得できるまでの期間限定』と思っていたのに、なかなか試験に合格できない。といった場合、いつまで税理士補助の仕事を続けるんだろう…としんどくなる時があるでしょう。
希望の光…
ここまで読んで、「なんだよ税理士補助って最悪じゃん。やっぱ奴隷だわ。絶対やりたくないわ。」と思った人はたくさんいるでしょう。
おそらく現実に存在している税理士事務所の7割以上は、上で述べた理由①~⑨をほぼほぼ制覇していることでしょう。
しかし最近は、業界の雰囲気が少しずつ変わってきています。新しい風が吹いています。
- 業務のIT化・効率化
- 税理士なのに『SNSで稼ぐ』税理士
- 顧問先の売上や確定申告の件数を、インセンティブとして反映させる事務所
- 繁忙期でも定時退社をなんとか実現させようとする事務所
など、今までの税理士業界の根底にあった古臭い雰囲気を覆そうとする人達が存在しているのです。そしてそういう方達は、アウトプットや発信が得意(好き)です。
ぜひ、もっともっと声高々に発信いただき、働きやすい事務所を増えれば良いなと思います!
気になる方は、Twitterで「税クラ(税クラスター)」の方々の発信を見てみましょう♪
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