資格・試験のこと

簿記3級の難易度について考える|なぜ簡単だと言われるのか?落ちると恥ずかしい?

簿記3級の資格と聞くと『難しそう』『簡単そう』、どちらのイメージがありますか?

既に合格している人や、簿記2級・簿記1級と勉強をすすめている人は『簿記3級は簡単』だと思うでしょう。反対に、勉強を始めたばかりの人や数字・計算が苦手な人、試験に落ちた人は『簿記3級は難しい』と思っているでしょう。

しかし世間一般的には『簿記3級は簡単だ』といわれているのが現実です。

なぜなのでしょうか?難易度はどれくらいなのでしょうか?落ちるとちょっと恥ずかしいのでしょうか?

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簿記資格とは?

まず初めに『簿記の資格』とはなんなのでしょうか?

簿記は年間約60万人が受験する『非常に有名な資格の1つ』です。

「日商簿記3級・2級」はネット試験もできます。

簿記資格の種類は?

簿記の検定には『日商簿記・全経簿記・全商簿記』の3種類があります。

中でも最もメジャーなのが『日商簿記』であり、日本商工会議所と各地商の工会議所が主催する簿記の検定試験です。学生や社会人でも受ける人が多く、就職活動にも有利な資格です。

『日商簿記』には『1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類』があります。一般的には『簿記3級→簿記2級→簿記1級』と受けていく人が多いです。

簿記(商工会議所の簿記検定)公式ページ

簿記とは?

『簿記』とは『帳簿記入』の略です。

会社は社員・株主・お客さん・金融機関などに対して、資金繰りや会社の経営状態について説明・開示できなければなりません。そのためには『財務諸表(決算書)』が必要です。

財務諸表とは?

『貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書など』をいいます。

『簿記』とは、お金の動きやモノの出入りなど『日々の取引を帳簿に記入』し『財務諸表(決算書)を作成する』ことを言います。

つまり会社経営にとって『簿記』は必要不可欠な存在です。

合格率は?

では、簿記試験の合格率はどれくらいなのでしょうか?

ざっくりですが『3級は50%前後・2級は20%前後、1級は8%前後』の合格率となっています。

簿記3級の過去の合格率のデータです。

簿記3級・簿記2級・簿記1級の合格率の全データを見る

ちなみに私は第158回の試験受験し落ちました。 いつもは50%前後ある合格率ですが、158回(2021.6.13)実施の試験は合格率28.9%でした。

158回の試験は、中身や構成・計算用紙などが過去と大きく異なっていたためTwitterで波紋をよんでいましたが、初受験であり過去問をしっかり解いていなかった私は、あまり違いに気付きませんでした。

受験したのが158回の試験でなければ、受かっていたのかどうかだけが気になっています。(もう1度受ける気はない)

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簿記3級の難易度は?

簿記3級の合格率は50%前後であるとわかりましたが、では難易度はどうなのでしょう? 『資格の難易度』って合格率からだけでは読み取れないものもありますよね。

なぜ一般的に『簿記3級は簡単だ』と言われてしまっているのでしょう?

そもそも資格の難易度とは?

そもそも資格の難易度について語りだすと、一言では説明しきれないほど奥深いと思っています。

例えば『医者の資格の難易度は?』と言われても、『①医学部に入り』『②6年間学ぶ』、その後『③医師国家試験に合格し』『④2年以上の経験を積む』など、何段階もクリアしなければなりません。

『①医学部に入る』ことがスタートラインであるハズなのに、そのためには小学校から成績優秀であり続けなければならなかったり…など、『スタートラインに立つまでが全て』であるかのような資格です。

『医師国家試験を受けて合格すれば良い!』だけではありません。試験を受ける権利を得るところから始まります。そういった仕組みが、難易度の高さを表しているのだと思います。

『税理士業界を知る会』のブログなのに医者で例えてしまいましたが『税理士資格』もそうですよね。

『税理士試験を受験する資格』がそもそも必要であり、試験に合格しても『実務経験』が必要です。

※税理士資格は「大卒」など学歴がなくても「簿記1級合格者」などでも受験資格を得られるので、その点『医師資格よりは難易度は低い』でしょう。

難易度が低いと言われる理由は?

理由①:誰でも受けられる

話が遠回りしましたが『簿記』の資格には受験資格が必要ありません。学歴や職歴がなくても誰でも受けられます。

そういった『誰でも受けられる』という点が『難易度が低い』と言われてしまう理由の1つであるでしょう。

理由②:本来の目的の資格の”通過点”に過ぎない

簿記3級の資格取得が、本来目指している資格の”通過点”に過ぎない場合も多くあります。

例えば『税理士・会計士・中小企業診断士』を目指している人がまずは『簿記3級』から始める。『医療事務』の資格を目指している人が『簿記3級』の資格も得る。などといったケースです。

”通過点”に過ぎない人にとったら、『簿記3級』の資格はサクッと通過すべき資格であると思われているのでしょう。

理由③:明確な目的なく受ける人も多い

簿記3級の資格は、明確な目的なく受ける人も多いです

大学によっては、商学部に入学したら自らの意思がなくても全員「簿記の勉強・試験を受験」することがカリキュラムに含まれていたり、主婦や会社員など、仕事や生活で簿記の知識が必要である場合でなくとも簿記の勉強をし試験を受ける人もいます。

そういった”明確な目的なく受ける人も多く”、そういった人達が合格を得ると『難易度が低い資格』というように思われてしまうのでしょう。

理由④:合格率が50%前後

合格率が50%前後あるという点も、客観的に『難易度が低い』と思われます。

たとえば”簿記2級だと20%前後、簿記1級だと8%前後の合格率”です。簿記3級が受かった人が2級・1級と受けるケースが多く、受験者母数は(ほぼ)3級合格者であるにも関わらず合格率が低いことより、難易度が表れています。

合格率の数字は、ある程度難易度を示していると言えるしょう。

理由⑤:その先に2級・1級がある

簿記3級の先には『簿記2級・簿記1級』があります。

簿記3級も、合格点をあげたり試験を難しくして”難易度をあげる”ことは簡単ですが、『簿記2級・簿記1級』と続きの試験があるため、簿記3級の難易度は低くされているのかと思われます。

平均勉強時間から見る難易度

『簿記3級』の平均勉強時間はどれくらいなのでしょうか?

この『平均勉強時間』についてはあまり信用しない派ですが、「どれくらい難しいか、ひと通り勉強するにはどれくらい時間がかかるか。」の目安にはなると思います。

簿記3級は『100時間』必要と言われています。『100時間』とは「1日3~4時間程度だと1ヶ月」「1日1~2時間程度だと2ヶ月」が目安です。

(落ちたクセになんですが)実際私も100時間くらいの勉強時間で、合格ラインくらいまでは完成したと思っています。(落ちたクセにですが)

他の資格の平均勉強時間はあまり信用なりませんが、簿記3級に関しては『100時間』で合格ラインくらいまではいくかと思います。(落ちたクセにですが)

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簿記3級に落ちるとちょっと恥ずかしい?

これら上記の理由により、世間一般から『簡単だ』といわれている簿記3級ですが、落ちることは恥ずかしいことなのでしょうか?

『恥ずかしい』という言葉は少し違うかもしれませんが、難易度も低く受かる人が多い試験に落ちると「あ…」となりますよね。

私は証券会社出身の保険会社勤務なのですが、例えば「証券外務員資格」「生命保険募集人資格」などは働くうえで必須の資格であり一発合格するのが当たり前の資格でした。そんな中落ちる同僚もいたのですが、落ちると少し有名になります(もちろん良い意味ではない)。

そんな資格に比べると『簿記3級』は普通に難しいです。受かるのが当たり前の資格ではありません。『しっかり勉強して頑張れば受かる資格』ではあると思いますが『簡単な資格』ではないと思います。

合格率50%前後ということで、2人に1人は落ちますしね。

なので落ちても恥ずかしいと思う必要はありません!合格して「簡単だった」と言える人は”かっこいい”ですが、落ちても恥ずしいことではありません。

オススメの勉強方法は?

(落ちたクセにですが)オススメの勉強法を紹介します。

絶対落ちたくないなら通信教育や予備校

  • お金を払って受講するというプレッシャーでなんとか合格したい
  • 独学で机に向かう自信がない
  • わからない時は質問したい
  • 決められたペースで授業を受けたい

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お金はかけたくないけど誰かに教えて貰いたい派の方は、YouTubeがオススメです。

「ふくしままさゆきさんのYouTube」が超わかりやすかったです。

私は本購入とYouTubeと両方で勉強しました。

気分が乗らないとき、机に向かいたくないときはYouTubeで勉強、「よしやるぞ!」ってときはテキストで勉強していました。

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最後に

目的があって簿記3級を勉強する方、明確な目的なく簿記3級を勉強する方…、簿記3級は初めは難しいかもしれませんが、「楽しい・面白い」とハマる人も続出する勉強です。

合格目指して頑張ってください☆

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独立開業を目指している方はもちろん、資格取得のため勉強中の方…、税理士業界で働くすべての方におすすめです。(特に現在の税理士業界に違和感を持っている方…ぜひ読んでください)

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