この記事では、『業務独占資格』とはなんなのか?資格の価値・需要がどれくらいあるのか?本当に一生職に困ることはないのか?についてまとめています。
✔ 資格を取れば安定である。
✔ 資格を取れば一生職に困ることはない。
果たして本当にそう言い切れる資格でしょうか?業務独占資格・資格の需要とともに考えていきたいと思います。
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業務独占資格とは?
『業務独占資格』とは『国家資格』の分類の一つで、有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格のことです。
✔ 国家資格とは?
国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格。法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い。
✔ 国家資格の分類
国家資格は、法律で設けられている規制の種類により、次のように分類できる。
- 業務独占資格:弁護士、公認会計士、司法書士のように、有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格。
- 名称独占資格:栄養士、保育士など、有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格。
- 設置義務資格:特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている資格。
- 技能検定:業務知識や技能などを評価するもの。
上記のように国家資格は4つの分類にわかれており、『① 業務独占資格』はその中の1つです。
✔ 業務独占資格とは?
特定の業務に対してその資格・免許・免許状を有する者でなければ業務をおこなうことが禁じられている資格のことです。無資格で業務を行ったり法律に違反すると罰せられます。
✔ 業務独占資格にはどんな資格がある?
- 医師・看護師・助産師
- 気象予報士
- 公認会計士・行政書士・司法書士・社労士・税理士
- 電気工事士・消防設備士
など。
違反者に罰則を与えるなど法的規制を行う背景には、専門的な知識・能力を資格で証明されていない人がその業務を行うことによって、生活・健康・お金・命をも脅かす恐れがあるからです。
自分のことを自分でやる分には問題ありません。
また多くの『業務独占資格』は、有資格者しか資格の名称を名乗ってはいけない『名称独占資格』ともなっています。「自称税理士・自称医師」などは禁止されているということです。
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有償業務独占資格と無償業務独占資格とは?
さらに『業務独占資格』は、「有償業務独占資格」と「無償業務独占資格」の2種類に分類できます。
1つずつ違いを見ていきましょう。
有償業務独占資格
”有償”での業務のみが有資格者の独占業務であり、”無償”であれば無資格者でもおこなえる業務資格ことを『有償業務独占資格』といいます。
代表的な資格は下記の通りです。
弁護士・弁理士・公認会計士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士など
これらの資格には、根拠となる法律の業務独占規定に「資格のない者は報酬を得て業とする(業務を行う)ことができない」と明記されています。(弁護士法第72条、弁理士法第75条、公認会計士法第47条の2、行政書士法第19条など)
報酬を受け取る場合は有資格者でないといけないが、
報酬が発生しないのであれば、無資格者が携わっても良いということですね。
無償業務独占資格
一方、”有償・無償”どちらであっても有資格者でないと業務ができない業務資格のことを『無償業務独占資格』といいます。
代表的な資格は下記の通りです。
医師・薬剤師・税理士・司法書士・土地家屋調査士・フグ調理師など
これらは、報酬が発生しないとしても無資格者はおこなってはいけないのです。命やお金に関わる重大な責務を背負っているからですね。
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資格の価値・需要は?
では上記の『業務独占資格(有償業務独占資格・無償業務独占資格)』には、どれくらいの価値があるのでしょうか?
結論から言うと、かなりの価値と安定した需要があります。
例えばあるIT企業が求人募集をしているとします。
経験やスキル・応用力は誰にも負けないけれどIT資格は何も取得していない人と、資格を取ったので勉強知識だけは負けないが実際にIT業界で働いたりした経験はない人。どちらが欲しいでしょうか?
おそらく前者でしょう。資格がなくても良い仕事なので、資格で証明しなくても良いのです。(もちろん資格はないよりある方が良いですが)
一方、業務独占資格が関連する職場についてです。
病院を経営するには必ず資格をもった「医師・看護師」が必要ですよね。税理士事務所・弁護士事務所・社会保険労務士事務所を経営するにはかならず資格をもった「税理士・弁護士・社会保険労務士」が必要ですよね。
ちゃんと学校通って勉強してました!独学でだいたいのことはわかってます!親の仕事の手伝いしてたんで知識はあります!でも資格はまだありません!なんて言われても、無資格者は業務をおこなってはいけないのです。(税理士補助や研修医など、あくまで補助的な立場としてであれば話は別ですが)
有資格者がいないとそれらの経営は成り立たないのです。
業務独占資格の世界では「資格の有無が重要である。資格には価値がある。」ということですね。
一生、職に困ることはない?
資格に価値があること、需要があることはわかりましたが、資格さえあれば一生職に困ることはないのでしょうか?
個人的結論としては、一生職に困ることはないでしょう。
先ほど述べたように、有資格者がいないと経営が成り立たないので必ずどこかに需要がある資格であります。
さらにこれらの資格は、どの地域にも需要があるという点があります。
特定のスキルを活かした就職や一般企業であれば、就職先は都市にばかりに集まっている場合がほとんどです。
しかし病院や弁護士事務所・税理士事務所などは、需要の大小はありますがどの地域にも必要とされます。人が生活していれば必要な仕事です。
家族の事情や身体の都合で当初予定していた地域から引っ越すことになったとしても、仕事を見つけやすいでしょう。思わぬ引っ越しや、結婚・子育てなどの事情で退職をやむなくされたとしても、資格がある限り再び新たなキャリアを築くことができるでしょう。
資格を剝奪されるような事案を起こしたりしない限り、資格があるというだけで就職に困ることはないでしょう。
かなりのコミュ障で面接に受からない…などは別問題です。
独立開業した場合、仕事に困らず稼げるか?というのも別問題です。
最後に
資格を取得することは大変です。
しかし難易度が高ければ高いほど、資格取得者を厳選しているということです。その資格には価値があり、社会にとっても大切な資格だということです。
現在資格取得に向けて勉強している方、既に資格取得済の方、これからも頑張ってください☆
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