転職のこと

もしかしてブラック事務所?見分ける11のチェックポイント【税理士事務所】

会計事務所(税理士事務所)ってブラックが多くないですか?

業務の特性上、繁忙期はある程度仕方ないとしても度が過ぎたり、繁忙期でもないのに常に業務量が多過ぎたり、それに対する給与が低すぎたり、パワハラ?マンパワー?というか放置?みたいな環境だったり…

ブラック会計事務所かどうかを見分けるポイントをまとめていきたいと思います。

\士業・管理部門 特化型エージェント3選/

おすすめの特化型エージェント

はじめに『ブラック事務所の定義』は?

ブラック企業(事務所)とは、一般的にはこのような企業のことを呼びます。

  • 極端な長時間労働や過剰なノルマを課す
  • 賃金や残業代の不払
  • ハラスメントが横行するなどコンプライアンス意識が著しく低い
  • 離職率が高い
  • 新人教育をしない・放置
  • 若者の「使い捨て」が疑われる

など。

ちなみに厚生労働省「確かめよう労働条件」では、下記のような記載があります。

「ブラック企業」ってどんな会社なの?
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す ②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い ③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

引用元:「ブラック企業」ってどんな会社なの?|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省

\『MS-JAPAN』に無料登録する/

\士業・管理部門 特化型エージェント3選/

おすすめの特化型エージェント

【もしかしてブラック?】チェックポイント

①:年収が安すぎる

年収が安すぎる事務所は要注意です。

「できるだけ社員に給与を払いたくない(社員を大切にしない)」「顧問料も安さ勝負していて、仕事量と給料が割にあっていない(事務所が儲かっていない)」事務所である可能性が高いです。

税理士事務所の平均年収から離れた年収を提示している事務所は、何か理由があるはずです。

避けた方が良いでしょう。

税理士事務所の平均年収

未経験者の場合:年収300万~350万

実務経験3~5年・科目合格者の場合:年収400万~

税理士の場合:年収500万~

「試験勉強中の人や資格保有者で、いずれ独立するから年収にはあまりこだわらない。」という方がいますが、最低限の年収にはこだわるべきです。

仕事を安く請け負うようになってしまったり、惰性で働いたり、プライドを持って働けなくなってしまったりします。

また税理士業界に限ったことではないですが、同年代と比べて年収が低いと、悲観的になってしまったり性格が歪んでしまったりするかもしれません。

次に転職する際にも「前職での年収」が基準になるケースも多いため、低い年収のまま転職を繰り返さないといけなくなる場合もあります。

➡【待遇に不満がある方必見】年収をあげる8つの方法|税理士業界

②:しょっちゅう(常に)募集をかけている

しょっちゅう(常に)募集をかけている税理士事務所は要注意です。

  • 常態的に人出不足である
  • 離職率が高い
  • 辞めることを想定して募集をかけている  

など。

「しょっちゅう(常に)募集をかけている」かどうかを見極めるためには、転職サイトを時々チェックしておく必要があります。

もしくはエージェント担当者に「いつから募集しているのか」聞きましょう。

「長期にわたって急成長(急拡大)している」可能性もありますが、「離職率が高く辞めることを想定して常に募集をかけている」ケースの方が、圧倒的に多いです。

「離職率が高い」「辞めることを想定している」ということは何かブラックな事情があるということですよね。

③:社員が新人ばかりで、中堅社員がいない

社員が「所長などトップ数名+新人ばかり」で、中堅層の社員がいない事務所は要注意です。

ある程度の地位と年収を手に入れたトップ層にとっては居心地がよくなるが、中堅層がいないのは、辞めていく理由が必ずあるはずです。

  • 給与が上がらない
  • 評価制度がないor不明確
  • 業務の与えられ方がむちゃくちゃ
  • トップ層が尊敬できない

など。

そして採用されて間もない、入社3年目以内くらいの新人ばかりが多くなる。という現象が起きます。

そういった事務所は社員を大切にしないので「新人もすぐ辞めて」いきます。

「すぐ辞めるだろう」と思われ、充分に業務を教えてもらえません。

その状況に耐えられず「結局辞める」というサイクルです。

④:顧問料の安さをウリにしている

顧問料が安い事務所は、業務量が多く残業も多いわりに給与に反映しません。要注意です。

事務所のホームページなどを見て、顧問料の安さをアピールしているのではなく、サービス内容や特徴・実績やお客様の声など、中身を打ち出している事務所を選びましょう。

⑤:先輩社員に、税理士資格保有者が少ない

働いている社員に、税理士資格保有者が極端に少ない場合は要注意です。業務が多忙すぎて試験勉強の時間が確保できずなかなか合格できていない可能性があります。

もしくは、税理士資格が取れると皆すぐに辞めていったり、待遇が悪く資格保有者をうまく雇えていない可能性です。

「税理士有資格者・科目合格者の割合」などはホームページに載せてあったり、エージェント担当者に聞けば教えてもらえます。

ぜひ確認しましょう。

「税理士試験勉強中の方歓迎」とアピールしている事務所を選ぶと良いでしょう。

(※それでも実際は激務だった。なんて話もあります)

⑥:所長が年配すぎる

所長が年配すぎる事務所は、要注意です。

税理士業界は超高齢化です。60代の税理士が最も多いです。

そして同時に、税理士業界もIT化が急速に進んでいます。

年配過ぎる所長よりも若めの所長の方が、ITシステムの導入にも積極的ですので、働く社員からしても今後のために必要なITスキルが身に付きやすくなります。

また、年配所長の税理士事務所は廃業リスクがあります。

あえて廃業リスクのある事務所に就職する選択もありますが、廃業に向かっている事務所よりも、成長を目指している事務所の方が、勢いもあり得られるものも大きいでしょう。

⑦:家族経営の事務所や、二代目所長の事務所

家族経営の事務所や、二代目・三代目所長の事務所は要注意です。

所長の娘や息子が社員として働いている場合

娘や息子が税理士試験勉強中の身であったとして…。他の社員には許されないのに、娘や息子は勤務中に税理士試験の勉強をしていても許される雰囲気だったりします。

それなのに、実際の業務やスキルに見合わない給与を貰っていたりします。

一緒にマジメに働くのがバカらしくなりますよね。

二代目・三代目所長の場合

社会に出て一般企業で働いたことなく親の事務所の跡を継いだ場合など、社会人として基本的なことができていなかったり、当たり前のマナーを知らなかったり…

『二代目は会社を潰す』なんてジンクスがありますしね。(※人によります!全員がそうではありません!)

⑧:新人教育に力を入れているかどうか

新人が入ってきても放置、仕事を丸投げしてフォローもせず、育てるつもりの全くない事務所はたくさんあります。

忙しくて時間も余裕もない場合」もあれば「自分も新人時代そうしてきたのだからと突き放すような、ある種パワハラのような社風」、「誰かが困っていても声をかけたりするコミュニケーションが存在しない雰囲気」など、様々なケースがあります。

求人内容の詳細に「新人研修・新人教育制度が充実している」と載っている事務所は、ブラック事務所である可能性を減らすことができます。

新人ではなくても、この項目は大切なチェックポイントです!

事務所の基盤がしっかりしているかどうかや、社風が見えます。

税理士業界で、未経験からそれなりに仕事をこなし顧問先を任せられるようになるには、3~5年かかります。

それまでは事務所にとって、給料を支払うコストがかかる存在です。

それなのに自分で仕事をこなせるようになったり、税理士資格を取得した途端、年収アップのために転職されたり、独立されたりします。(税理士業界特有ですね)

どうしても新人研修がおざなりになってしまう理由も理解できますが…

>>税理士事務所が新人を教育したがらない6つの理由【放置は当たり前?】

⑨:昇給制度について話があるかどうか

所長のワンマンで年収を決めている事務所は、昇給について制度化していないため、昇給制度についての話も出ず説明もありません。

「初年度年収は〇〇万だけど、2年目・3年目は頑張れば〇〇万くらいになりますよ」

とか普通は話があるはずです。

ホワイトな事務所は、面接時や求人内容の詳細に「昇給制度について」の内容説明があるはずです。

⑩:残業や休日出勤について確認

税理士業界は、閑散期と繁忙期(12月~3月と5月)では、働き方が別会社のように変わります。また8月の税理士試験前になると、試験受験生は有休を使って休み試験勉強に取り組む事務所もあります。

求人内容の詳細欄に平均残業時間など載っている場合もありますが、閑散期の話なのか繁忙期の話なのか…(だいたい閑散期のことを載せているでしょう)

繁忙期の残業や休日出勤はどうなのか?確認が必要です。

繁忙期の土日出勤は当たり前、平日は終電または終電を逃しタクシーで帰る。なんて事務所もあります。

エージェントの担当者や面接時に直接聞くのもありですが、事務所の近くで張り付き、自分の目で確かめるのもありです。

時期によってまちまちだとは思いますが、夜遅くまで事務所の電気が付いていると…そういうことですね。

⑪:担当顧問数が多すぎる

担当する顧問先が多すぎる場合は要注意です。

顧問先によって業務量は異なりますが、40件近い顧問先を持っていたりと、数が多いと単純に忙しくなります。

面接で聞いてみても良いでしょう。

\『MS-JAPAN』に無料登録する/

\士業・管理部門 特化型エージェント3選/

おすすめの特化型エージェント

まとめ『こんな事務所を選ぼう!』

ここまで11のチェックポイントを紹介しました。

どんな事務所を選ぶと、ブラック事務所を避けることができるのかをまとめます。

特化型エージェントを利用しましょう!

情報量と経験が圧倒的に違います。

  1. 年収が安すぎない
  2. 常に募集をかけている事務所ではない
  3. 年齢層にバラつきがあり、中堅社員もいる
  4. 顧問料の安さをウリにしていない
  5. 税理士資格保有者の割合がそれなりに多い
  6. 所長が年配すぎない
  7. 家族経営ではない
  8. 「新人教育に力を入れている」とアピールしている
  9. 「納得のいく昇給制度がある」とアピールしている
  10. 残業や休日出勤が許容範囲
  11. 担当顧問数が多すぎない

税理士試験中でも税理士資格保有者でも、また未経験者でも経験者でも、チェックポイントをチェックしたうえで転職先を選びましょう。

どこか違和感を感じた場合は、その部分だけでなく『ブラック事務所』である可能性が高いです。できるだけ、違和感のないホワイト事務所に転職できると良いですね。

『ブラック事務所』で得れることもある

ここまで『ブラック事務所』を避ける前提で話してきましたが、『ブラック事務所』で得られることも実際はあります。(失うものの方が多いのでオススメはしません)

自分で調べ、考え、解決するチカラ

仕事を丸投げされて放置されるような『ブラック事務所』で働くと、自分で調べて考えて、解決するチカラが付きます。独立した際に必要なチカラです。

ホワイトな事務所で、このチカラを付けれれば理想ですね。

メンタルが強くなる

これは私自身が2回転職して得たものです。

ブラック企業とまでは言わないですが、「入社2年間、ひたすら新規飛び込み営業。残業や休日に自宅でPC作業は当たり前。残業代は出ない。飲み会の頻度多すぎ」といった会社で合計6年働きました。

3社目の現在、周りは辛い・大変・嫌な会社、といっている中、前職2社と比べたらホワイトに思えて仕方ない状況です。

メンタルが強くなります。

仲間

ブラック事務所で働くと、愚痴がたくさんでます。誰かに愚痴りたくなります。一緒に働く同僚や同期入社の仲間などと、より仲良くなったりします。

人間は共通の敵(ここではブラック事務所)を見つけると、仲良くなりますからね。

ホワイト事務所でも仲間は得られます。

愚痴も言い過ぎ注意・・・

最後に

短期間しか働く気がない場合も長期にわたって働きたい場合も、避けられるものならブラック事務所は避けたいですよね。

一部分がブラックな事務所は、他の部分もブラックであることが多いです。

  • 例えば残業や休日出勤が多すぎる事務所は、昇給制度が明確ではない
  • 例えば新人教育をしない事務所は、パワハラが横行している

など。

ホワイト事務所を選ぶために、下記のステップをふみましょう。

  • 特化型の転職エージェントに登録する
  • 求人内容の詳細や事務所ホームページをしっかり見る
  • エージェント担当者に疑問点を質問する
  • 口コミサイトを見る

良い転職先に出会えるよう、祈っております!

\『MS-JAPAN』に無料登録する/

\士業・管理部門 特化型エージェント3選/

おすすめの特化型エージェント

《おまけ》おすすめ書籍

私の旦那が激しく感銘を受けた”井ノ上陽一さん”の書籍です。(今やすっかり”井ノ上チルドレン”です)

独立開業を目指している方はもちろん、資格取得のため勉強中の方…、税理士業界で働くすべての方におすすめです。(特に現在の税理士業界に違和感を持っている方…ぜひ読んでください)

旦那の開業1年目の売上をまとめています。良ければご覧ください。↓

「にほんブログ村」ランキングに参加しています。ポチっと押して応援頂けると嬉しいです!

にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
にほんブログ村