士業全般

税理士と公認会計士の違いは?【資格・仕事内容・開業・年収・稼げるのはどっち?】

「税理士」と「公認会計士」の違い、知っていますか?

「資格が違う、仕事内容が違う」のですが、どちらが資格を取りやすいのか?開業しやすいのか?実際稼げるのはどっちなのか?

様々な観点から比較していきたいと思います。

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『資格』の違い

税理士資格と公認会計士資格は、どちらも『国家資格』です。

ちなみに『国家資格』とは、文部科学省のWEBサイトによるとこう書かれてあります。

国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格、法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い。

文部科学省「国家資格の概要について

「税理士制度」の運営に関する事務を所掌しているのは『国税庁』です。

「公認会計士制度」については『金融庁』です。

ちなみに、税理士登録者数は79,367人、公認会計士登録者数は32,465人です。

(令和3年7月末時点)

税理士資格

『税理士資格』を取得し活動するためには、下記の3ステップが必要です。

  1. 税理士試験に合格した者(免除された者を含む)であること
  2. 実務経験の期間が通算して2年以上ある者であること
  3. 日本税理士会連合会に備える税理士名簿に登録

 なお、「①税理士試験に合格した者(免除された者を含む)であること」とは具体的に下記のケースです。

  • 税理士試験に合格して『税理士』になる
  • 大学院を卒業し、税理士試験の免除を受けて『税理士』になる
  • 税務署など国税官公署を退官し、税理士試験の免除を受けて『税理士』になる
  • 弁護士や公認会計士など他の資格を保有しており、税理士試験の免除を受けて『税理士』になる

『公認会計士の資格』を持っていると、税理士試験は免除されます。(実際に業務を行うには、登録が必要です)

>>税理士はすごい?社会的地位は?税理士資格の価値は?

公認会計士資格

『公認会計士資格』を取得し活動するためには、下記の3ステップが必要です。

  1. 公認会計士試験に合格した者(免除された者を含む)であること
  2. 実務経験の期間が2年以上ある者であること
  3. 実務補習を修了し、内閣総理大臣の確認を受けた者であること

なお、公認会計士として開業するためには、公認会計士名簿に登録し日本公認会計士協会に入会することが義務付けられています。

『税理士の資格』を持っていても、『公認会計士』の試験免除にはなりません。(一部の科目免除になります)

>>【日本三大国家資格は?】公認会計士は含まれるのに税理士は入れてもらえないのはなぜか?

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『試験制度』や『難易度』は?

受験資格は?

税理士試験の受験資格

受験資格は、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • 学歴による受験資格(大学・短大等卒業者で、特定の単位履修者・司法試験合格者・公認会計士試験の短答式試験に合格した者など)
  • 資格による受験資格(日商簿記検定1級合格者など)
  • 職歴による受験資格(銀行などで特定の業務、または税理士等の補助事務に2年以上従事した者など)

(詳しくは「国税庁ホームページ(税理士試験受験資格の概要)」をご確認下さい。)

公認会計士試験の受験資格

受験資格は必要なし。

『税理士試験の受験資格』に対して、『公認会計士試験』は誰でも受けることができます。

試験制度について

税理士試験

合計5科目に合格する必要があります。

『会計学』科目(簿記論・財務諸表論)の2科目

『税法』科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)

(詳しくは「国税庁ホームページ(税理士試験の概要)」をご確認下さい。)

1科目ずつ受験することが可能であり、合格すれば一生有効です。

公認会計士試験

『短答式試験(マークシートの択一式)』と『論文式試験(記述式)』の2段階に分かれており、両方に合格する必要があります。

『短答式試験』:試験科目は財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目です。なお、一度合格したらずっと有効というわけではなく、その後2年間のみ有効です。

『論文式試験』:必須科目は会計学(財務会計論、管理会計論)・監査論・企業法・租税法で、選択科目は経営学・民法・統計学の中から1科目を選んで受験します。なお、科目合格制が導入され、合格した科目については2年間免除が受けられます。

(詳しくは「日本公認会計士協会ホームページ(公認会計士試験について)」をご確認下さい。)

どちらも、合否判定は科目ごとではなく一括で行われれます。

『税理士試験』は1科目ずつ勉強&合格していけば良いのに対して、『公認会計士試験』は一度に全ての試験範囲の勉強が必要です。

合格までの勉強時間の目安は?

税理士試験の勉強時間の目安

合格までの勉強時間の目安は4,000時間と言われています。「1日平均5時間の学習で2年ちょっと」で合格ラインという計算です。

しかし、目安時間を信用してはいけません。

科目ごとに勉強時間の目安も違いますし、科目ごとに試験勉強をすすめていくため、1年に「1科目ずつ(多くても2・3科目ずつ)」勉強していく受験生が多いです。

合格までの期間は、東京税理士会の調査によると平均9年かかると言われています。

3年で受かるツワモノもいれば、20年~30年ずっと勉強を続けている人もいます。

公認会計士試験の勉強時間の目安

合格までの勉強時間の目安は3,500時間と言われています。「1日平均5時間の学習で2年弱」「1日平均10時間の学習で1年弱」で合格ラインという計算です。

税理士試験と違って、試験科目を一度にまとめて受験するため、広範囲を一度に勉強する必要があります。

合格までの期間は、平均2~4年かかると言われています。

金融庁が取ったアンケートによると、2年間の勉強で合格する方が、短期合格の王道でした。合格者の割合は、2年間が20%、3年間が50%、4年以上が25%程度という結果でした。

合格までの平均年数を見ると「公認会計士試験」の方が難易度が低いように見えますが、『税理士試験』は科目ごとに受験が可能、『公認会計士試験』はすべての範囲を一度に受験、という特徴の結果だと思われます。

どちらも難易度の高い難しい試験です。

>>公認会計士試験は短距離走、税理士試験はフルマラソンだ!と言われる理由

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『仕事内容』の違い

独占業務

税理士にも公認会計士にも、それぞれ『独占業務』があります。

『独占業務』とは、特定の資格を持っている者しかおこなってはいけない仕事のことです。

税理士の独占業務:税務の代理・税務書類の作成・税務相談

「税務業務」が税理士の独占業務です。

納税者に代わって税務の申告をおこなう『税務の代行・税務署類の作成代行・税務に関する相談』は、税理士以外はおこなってはいけない仕事です。

公認会計士の独占業務:「監査業務」

「監査業務」と呼ばれる仕事が、公認会計士の独占業務です。

「監査業務」とは、企業が作成した「財務諸表」が適正であるかを、第三者の立場から評価し、信頼できる書類であると証明する業務です。

仕事内容

「税理士」の仕事は主に「税金に関する仕事」、「公認会計士」の仕事は主に「監査業務」です。

税理士の具体的な仕事内容

  • (独占業務である)税務の代理・税務書類の作成・税務相談
  • コンサルティング・M&Aなどのアドバイザリー業務
  • 記帳代行・給与計算
  • 資金調達の助言
  • 金融機関との均衡
  • 年末調整・確定申告・相続税の申告
  • 会計参与
  • 税務訴訟における補佐人
  • 行政・司法の支援(家庭裁判所や各地域の税理士会・国税審判官など)

公認会計士の具体的な仕事内容

  • (独占業務である)監査業務・監査証明
  • コンサルティング業務
  • 税務代行や税務相談(※税理士登録が必要な業務あり)

『税理士』としての登録をし、『税理士』として活動の幅を広げる会計士もいます。

主なクライアント

税理士の主なクライアント

  • 中小企業・個人商店
  • 個人の富裕層
  • フリーランス・個人事業主など

公認会計士の主なクライアント

  • 金融法で定められている上場企業
  • 会社法で定められている大手企業
  • その他に学校法人や独立行政法人など

『就職先』の違い

税理士の就職先

  • 税理士事務所(または公認会計士事務所)
  • コンサルティング会社
  • 官公省庁(税務署・市役所など)
  • 一般企業

公認会計士の就職先

  • 監査法人
  • 公認会計士事務所(または税理士事務所)
  • コンサルティング会社
  • 一般企業

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稼げるのはどっち?

では、気になる「どっちが稼げるか問題」ですが、「稼ぎやすさ」も含めると一般的にはこうです。

所属の場合は「公認会計士」

独立開業するなら「税理士」

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、公認会計士の平均年収は992万円です。 一方、税理士の平均年収は888万円です。

所属の場合『公認会計士』の方が稼げる理由

公認会計士

公認会計士試験合格者の約9割が『監査法人』に就職します。

『監査法人』にも規模の大小ありますが、大企業の監査をするという業務特性上、ある程度の規模の事務所であることがほとんどです。

そのため、初任給も高く平均年収も高いです。

監査法人勤務公認会計士の平均年収
  • 20代前半(スタッフ):年収500万くらい
  • 30歳前後(シニア):年収600万~700万程度
  • 40歳前後(マネージャー):年収800万~1000万程度

税理士

税理士事務所は「大手税理士法人」なのか「中小規模の税理士事務所」なのかで、待遇が大きく異なってきます。

「中小規模の税理士事務所(または個人事務所)」ですと、税理士資格をもっていても年収400万ほど、といったこともあります。

税理士事務所の平均年収
  • 未経験者の場合:年収300万~350万
  • 実務経験3~5年・科目合格者の場合:年収400万~
  • 税理士の場合:年収500万~

「税理士」の場合は、就職先によって年収の幅が広いため、『公認会計士の方が稼げる』という結果になっています。

(※就職先によっては「税理士の方」が稼げます。)

独立開業すると『税理士』の方が稼げる理由

『公認会計士』の資格を持っていても、独立すると『税理士』登録して税理士業務をおこなう公認会計士も多くいます。

なぜでしょう?

個人で開業するならば、税理士業の方が「仕事がある・仕事が取りやすいから」です。

『公認会計士』の仕事は大企業相手であるため、新規クライアント獲得が難しいです。

一方『税理士』の仕事は、中小企業や個人事業主・個人の確定申告や相続税など、案件は身近にたくさん存在しています。

親戚や友人から、相談があがってくることも多くあります。

そのため、開業すると『税理士のほうが稼げる』という結果になっています。

(※開業後は個人の実力によって大きく左右されます。)

旦那の、開業1年目の売上をまとめています。良ければご覧ください。↓

『公認会計士』は生き残りにくい?

公認会計士試験合格者の約9割が『監査法人』に就職しますが、『監査法人』は非常に出世が厳しい世界です。社内のピラミッドのトップに残れる公認会計士は僅かです。

『監査法人』で出世できなかった公認会計士は、『監査法人』を退職し、一般企業の経理・コンサル会社に転職するか、独立開業します。

そして独立開業した『公認会計士』は、『税理士業』で稼ぐ人が多いです。(監査法人から案件を引き受け、案件ごとに報酬を貰って稼いでいる会計士もいます。)

「公認会計士」の資格をとっても、『税務ができる公認会計士』であることが望ましいです。

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独立開業を目指している方はもちろん、資格取得のため勉強中の方…、税理士業界で働くすべての方におすすめです。(特に現在の税理士業界に違和感を持っている方…ぜひ読んでください)

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