税金・確定申告

フリーランスと個人事業主の違いを解説!開業届は出さないといけないのか?

近年「フリーランス」という言葉をよく耳にしますよね。

会社や組織に所属せず、個人で活動している人のことを「個人事業主・フリーランス」と呼んでいます。

「”フリーランス”って、”個人事業主”を横文字にしてかっこよく呼んでるだけじゃないの?」と思っている方もいると思います。

この2つには違いがあるのでしょうか?

実は、フリーランスとは「働き方」の呼称であり、『税務署に開業届を出して活動する』と会的に”『個人事業主』という「税務上の区分」になります。

会社に属さず個人で活動していたら「フリーランス」。

開業届を出していたら『”税務上”は個人事業主』ということです。

詳しく解説していきたいと思います。

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フリーランスとは「働き方」の呼称

フリーランスとは?

フリーランスとは、会社・組織・団体に所属せずに個人で活動する働き方のことを言います。自分の技術やスキルを活かしながら、仕事を自由に契約し、対価として報酬を受け取る働き方のことです。日本では「フリー」とも呼ばれています。

『フリーランス』は、日本の法令上の用語ではないので法律上の明確な定義が存在しません。が、経済産業省が2021年に公表したガイドライン内によると「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、 自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指す」と公表しています。

フリーランスには、「自営業・個人事業主・自由業」なども含まれているため、税制や法制度も一律で整えられず、実態が把握しづらいという社会的な課題もあります。

『フリーランス』は働き方の呼称で、法令上の用語ではないんですね。

個人で活動していれば、誰でも『フリーランス』と名乗っちゃって良いのですね。

フリーランスの語源

フリーランスは英語で「freelance」と表し、「Free(自由)」と「Lance(槍)」を合わせた言葉です。

フリーランスの語源は、中世のイタリアやフランスに遡ります。王や貴族は主力となる騎士の補強として、戦争のたびに傭兵(ようへい)団と契約し報酬を支払い戦いに臨んでいました。契約の際には、槍の本数=1戦闘単位としてカウントされました。

そのシステムは『フリーランス(自由な槍)』と呼ばれるようになり、現在では「組織に属さず、自由な契約で働く状態」のことを指す言葉に変化したと言われています。

フリーランスに多い職業

どんな職業でも会社や組織に属さず個人で活動していれば『フリーランス』なので、あらゆる職業であり得ますが、特に多いのはこのような職業です。(特に、と言いつつ様々な職業を網羅していますね)

  • IT系
    • WEBデザイナー
    • グラフィックデザイナー
    • プログラマー
    • ユーチューバー・ブロガーなど
  • マスコミ系
    • ライター・編集者
    • 翻訳・通訳
    • カメラマン
    • スタイリスト
    • タレント
    • 小説家 など
  • 士業系
    • 弁護士
    • 税理士・会計士
    • 建築士 など
  • コンサルタント系
    • 経営コンサルタント
    • 心理カウンセラー
    • ファイナンシャルプランナー
  • デザイナー系
    • ファッションデザイナー
    • インテリアデザイナー
  • その他
    • 料理家
    • セミナー講師
    • 着物着付け師
    • 家庭教師
    • 大工など

個人事業主は「法的な」呼称

フリーランスという言葉が法令上の用語ではない一方で、『個人事業主』は法的な呼称です。法人を設立せずに”個人””反復・継続して”事業を営んでいる人のことを指します。

国税庁HPなどでも「個人事業・個人事業者」と称されています。

(参考:国税庁HP「個人事業」

ちなみに”反復・継続して”いる必要があるので、フリマなどで単発で物を売って利益を得ても『個人事業』には該当しません。

「どんな働き方してるの?会社員じゃないの?」みたいに聞かれたら「フリーランスです~」と答えればよいですが、

「法人?個人?」と聞かれた場合は「個人事業主です~」みたいなやり取りになりますかね。

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個人で事業を開始したら開業届を出さなければいけない

所得税法第229条によると「国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始した場合には、その事実があった日から1ヶ月以内に、税務署長に開業届を提出しなければならない。」と定められています。

本来であれば、事業を開始している『フリーランス=個人事業主』であるはずなのです。

しかしこの規定に対する違反については罰則が定められていないため、実際は個人として事業活動を開始しているにも関わらず、開業届の提出を行っていない人はたくさんいます。

開業届を出すメリットデメリットを比較して、出す人出さない人がいるのが現状ですが、原則として開業届を出さなければならないということは頭に入れておきましょう。(1ヶ月以内と定められていますが、遅れても罰則はありません。遅れたとしても提出しましょう)

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開業届を出すと「税務上・社会的」個人事業主

税務署に『開業届』を提出申請すると「社会的に個人事業主」として扱われます。「社会的に個人事業主」として扱われるということは「税務上の区分が個人事業主」であるということです。

税務上・社会的に『個人事業主』であると、様々なメリットがあります。

  • 青色申告が可能になる
  • 小規模企業共済に入れる
  • 信頼が増す
  • 就業の証明になる(開業届の提出を求められる場面は意外と多いです)
  • 給付金等が受け取れる

簡単に言うと、

✔ 社会的に信用される・社会に認められる

みたいなことでしょうか。

コロナで話題になった「持続化給付金」も開業届を出していないと給付されませんし、保育園入所時などに市へ提出が必要な就労証明書にも開業届の控えが必要ですし、クレジットカードやローンの審査にも開業届の控えの提出を求められることがあります。

社会で生きるためには、やはりルール通り開業届を提出すべきということですね。

開業届を出す方法

開業届を出す方法には以下の方法があります。

  1. 税務署の窓口に開業届を持参
  2. 税務署宛に郵送
  3. e-Taxでネット申請

おすすめは、freeeなどのソフトで開業届を作成し提出する方法です。初心者でも簡単、無料でできます。

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